僕、実は、生まれて初めて生の落語を観に行きました。
場所は豊橋駅直結の”穂の国とよはし芸術劇場”通称「PLAT」(ぷらっと)
何年か前に、テレビのワイドショーを賑わせていたあの落語家さんですが、
その腕前は超一流とのことです。
僕も若い頃は、
「落語なんてお年寄りが聞くやつでしょお?」
などと、鼻でせせら笑うようなきらいがあったのですが、
自称「元・日本総合お笑い研究協会―和歌山支局―専務理事」
お笑いに関してはそーとー厳しいカミさん、小朝さんのコトを次のように語る。
「コイツ、人間的にはなんかキライだけど、落語はウマイだよね」
高評価してるんだかDisってるんだが、よくわからないけど、
なんせ本業の腕はスゴイらしいということで、
今回は地元豊橋の公演ということもあり、ちょいと顔を出してみることにした。
豊橋駅なら自宅から車で15分ほど。
本当に近所に出かける感じで、ぷらっとPLATに赴いた。
豊橋駅西口の、この界隈では最安であろうタワーパーキングに車を停め、豊橋駅内を横切って東口ちょい手前の劇場への直結通路へと渡らなければならない。
4月にしては温暖で、まるで初夏を思わせるような陽気の日曜日の午後。
駅構内は露出の高い服に身を包んだ若い女の子が目立つ。
実に華やかでけっして悪い気はしない。
おじさん的にとってもルンルンな雰囲気なのだが、
いかんせんオジサンなので、あんまりジロジロ見ると変質者の疑い120%だし、
横のカミさんもX-MENのウルバリンよろしく、いつでも鉄の爪で僕の内臓を串刺しにできる状況であることをかんがみて、まあ、焦点をぼやかしつつ、なんとなく楽しげな若人の雰囲気だけ感じつつ前へ進む。
ところが、駅構内から劇場へ向かう直結通路に入った途端、若人の数が急激に減った。
アレっ?
なんだ?
まるでバイオハザードで街に出たら不気味に静まり返っていて、角を曲がったら急にゾンビが襲いかかってくる、そんなシーンを彷彿とさせる感じだが、
唯一違うのは、そこに登場するのは、ゾンビではなく、もうすぐゾンビになりそうな中高年の皆様である。
やっぱり落語の独演会ともなると、どうしても高齢者・シニア・シルバーという種類で括られる方々が多く集まってくる
今日だけは、この通路は「豊橋の巣鴨」と化しているのだ。
ときどき鼻先をかすめる防虫剤と加齢臭の見えないカーテンをくぐりながら、会場へと入る。
会場は、とよはし芸術劇場PLATの主ホール。
初めて入ったけど、こんな立派な設備の整ったハコが、豊橋駅のすぐ横にできたんだねぇ~。すごいねえ~。などとひとしきり感心しつつ。
相変わらず座席運が無い僕は、後ろから3番目くらいの隅っこの席が割り当てられた。。。
それにしても後ろの方の席に座ると、会場全体が見渡せて、人の後頭部が一望できるのである。
そして、圧倒的な高齢者の数。
見渡す限りの後頭部のほとんどが「白」あるいは「肌色」である。
特に僕が注目したのが、前方約5mほど先の席に座っているおじいちゃんの髪型とシルエットが「レオナルドダビンチ」とそっくりなのである。
そして、そのナナメ後ろが「スティーブジョブズ」にそっくりなのである。
そして、その2コとなりがザビエルと同じ髪型なのである。
「ええっ!!うそ……、すごくなーい?歴史上の有名人がそろいぶみではないですかっ!!」
「こりゃ、もしこの三人が干渉することがあれば、宇宙になんらかの衝撃が走るよぉ~」
などと、かなり失礼な妄想人間観察で、心の中は一人お祭り騒ぎである。
ホントにすいません。。。心の中で思っただけです・・
あなたたちのおかげで今の日本があるんだということは決して忘れていませんっ。
そーこーしているうちに、ステージの方からぴぃーーーーひゃらひゃらひゃらひゃらー、てんてんつくてんつくてんてんっと、笛と太鼓の音が聞こえてきた。
いよいよ開演である。
幕が上がり、最初に登壇したのは
三遊亭好楽師匠の七番弟子の三遊亭好也さん。
彼が前座を務めます
いささか簡単な挨拶と
「ガマの油」の演目を披露。
そして座布団をひっくりかえして、
見台と膝隠しをセッティング
※こんなやつ
いよいよ主役の小朝師匠の登壇である。
たくさんの拍手に迎えられて師匠が歩いてくる。
「おっ、すげー、本物の小朝さんだ」
こんなときの僕は完全なる田舎モノですねぇ~
ぐいーーんっと前のめりになって
ドラゴンボールの孫悟空ばりに
「いやぁ~~おでれぇーたぞぉー、テレビで見た人が目の前にいるんだもんなぁ~」
と頭の中でナレーションが勝手に流れる
ぼそりぼそりと話し始める師匠。
簡単な挨拶から
時事ネタをはさみつつ短めのマクラ話
そして今日、東京から豊橋に来る新幹線の中で、
歌丸師匠と円楽師匠にばったり会ったそうで、
なんでも、今日はアイプラザ豊橋とい別の会場で、
「特選二人会」という落語会があるんだそうで。
なんと、4/24のこの日は
日本の名だたる落語家さんが3人も
この片田舎の豊橋の別々の会場で落語会をやっているという奇跡的な日なんですね。
これはもう、市をあげて毎年4/24を「豊橋落語の日」と制定して、
市民の休日にしてよ市長さん。
その流れで師匠は
「奉行と人相学」
という落語を披露。
これはお奉行様が容疑者を裁くときに人相学を取り入れて、
良い人間と悪い人間を見分けるという話。
最近のワイドショーでも取りざたされている
・狩野英孝
・加藤紗里
の人相学から見た観点や
千昌夫がほくろを取ってからというもの、不幸に見舞われ続けた話などを盛り込みつつ、最後はうまいこと言ってオチをつけて暗転。
いやあ、スゴイですねー。
あの饒舌ぶり。
すっかり惹きこまれてしまいましたよ。
10分間の休憩を挟みまして後半スタート。
小朝師匠登壇で
短めのマクラ話「糞尿地獄」
つづけて「入れ札」
この入れ札の演目は人情噺でして、
恥ずかしながら僕は今日まで
落語は笑わせる話ばかりだと思っており
こーゆー人情噺があることは知らなかった…
後からカミさんに言ったら
「かあぁぁぁーーッ、これだからトーシローは困るわー」
などと罵られた…
トーシローって…
21世紀に入ってから初めて聞いたぞ
続きまして、
柳貴家雪之介さんによる曲芸
バランスを駆使して色んなものを積み上げていったり、
安定の悪そうな出刃包丁3本で大皿を回したりと
実に見事な曲芸であった。
再び小朝師匠登壇で
「愛宕山」
(あたごやま)って読むそうです。
知ってる人は知っていると思いますが、
旦那と太鼓持ち一門の山登りの噺である。
落語といえば、座布団の上に座ってしゃべるのが基本で、
身動きといってもせいぜい右見たり左見たり扇子やハンカチをモノに見たてたりと
普通はその程度かなと思うのですが、、
この愛宕山の演目は
なんせオーバーアクションである。
ええっ!!落語ってこんなに動くの?
ってくらい小朝師匠、動き回ります。
立ち上がって山を登るシーン
後ろから尻を押すシーン
谷底へ飛び降りるシーン
小判を拾うシーン
縄をひっぱるシーン
などなど、随所にアクションシーンが盛りだくさんなのである。
しかしスゴイもので、落語まったくの初体験の僕でも
前のめりになって舞台に釘付けでした。
いずれも素晴らしい芸や落語で
その表現力や語り口は感動モノです。
本当にあっという間の2時間でした。
冒頭にも書いたように、
「落語なんて、しょせん年寄り相手のお笑いでしょ?老人でも理解できるレベルでしょ?」なんてタカをくくっていたのですが、
実際に、目の前で見事な落語を披露されると、まさにその表現力に圧巻でした
発声のしかた、間のとり方、緩急のつけ方、身のこなし、話の構成
どれをとっても一流であることが素人目にも伝わってくる
おおよそ、今のお笑いシーンの根底にも
実は落語の要素が隠れているとよく言われるが
たしかにそれはある気がします。
なので、もっと若い世代にも落語のスゴさが広まればなぁ~
そんなことを考えさせられた初落語でした。
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